無料の姓名判断サイトで候補の名前を入れてみたら、A社では「大吉」、B社では「凶」。
同じ名前なのに真逆の結果が出てきて、画面の前で固まってしまった——そんな経験はありませんか。
私も第一子の名づけのとき、まったく同じことが起きました。
実はこれ、どちらかのサイトが間違っているわけではなく、使っている「流派(りゅうは)」が違うことがほとんどです。
この記事では、赤ちゃんの名前の画数が流派によって違って出る理由と、結果が割れたときの決め方を、名づけに悩み抜いた一人の母としてやさしく整理してお伝えします。
読み終わるころには、「じゃあ、わが家はこう決めよう」と気持ちの置きどころが見つかるはずです。
千明こんにちは、中村千明です。私は占い師ではなく、わが子の名づけで画数に悩み抜いた二児の母です。長男の名前で3つのサイトを回って、結果がバラバラで眠れなくなった夜のことは今も覚えています。同じ場所にいる方に、あのとき自分が知りたかったことをお話しさせてください。
結論:流派が違えば結果が割れるのは「当たり前」のこと


先にいちばん大事なことをお伝えします。
姓名判断は日本国内だけでも30以上の流派があると言われており、どれかひとつが公式・正解というものは存在しません。
流派ごとに「漢字の画数をどう数えるか」「五格をどう組み立てるか」「その画数を吉と見るか凶と見るか」の基準が異なるため、同じ名前でも診断結果が変わるのはむしろ自然なことなのです。
ここで出てきた五格(ごかく)という言葉も、初めての方のために簡単に噛み砕いておきますね。
五格とは、姓と名の漢字の画数を組み合わせて、名前を5つの角度から読み解く考え方です。
| 五格の名前 | ざっくり言うと | 読み解かれる分野(一例) |
|---|---|---|
| 天格(てんかく) | 姓(名字)の画数の合計 | ご先祖から受け継ぐ土台 |
| 人格(じんかく) | 姓の最後+名の最初の画数 | 性格・仕事運の中心 |
| 地格(ちかく) | 名前だけの画数の合計 | 幼少期〜青年期の気質 |
| 外格(がいかく) | 総格から人格を引いた画数 | 対人関係・まわりとの縁 |
| 総格(そうかく) | 姓名すべての画数の合計 | 人生全体の流れ |
この5つのうち、どこを重く見るかも流派で違います。
総格をいちばん大切にする流派もあれば、赤ちゃんの名づけでは地格を最優先とする考え方もあり、「重視する場所が違えば、総合評価も変わる」というわけですね。
【関連記事】赤ちゃんの名前は五格の優先順位が大切|全部吉にできない時の決め方
【5つの理由】同じ名前なのに流派で画数が変わるのはなぜ?


「そもそも画数って、見たまま数えるだけじゃないの?」と思いますよね。
私も最初はそう思っていました。
ところが、流派によって数え方そのものが変わるポイントが、大きく分けて5つあります。
理由1:新字体で数えるか、旧字体で数えるか
いちばん結果が割れる原因がこれです。
たとえば「沢」という字は、今わたしたちが使う新字体(普段の字体)なら7画、旧字体の「澤」で数える流派なら16画になります。
9画も違えば、五格の数字はまるごと入れ替わりますよね。
同じ漢字でも、どの字体を基準にするかで画数が二桁変わることがある——これが「サイトによって結果が違う」の正体のひとつです。
理由2:部首を「本来の形」に戻して数えるかどうか
旧字体を使う流派の一部では、部首を成り立ちのもとになった漢字の画数で数えます。
たとえば「海」「池」のさんずい(氵)は見た目どおりなら3画ですが、もとになった「水」に戻して4画と数える流派があります。
同じように、りっしんべん(忄)を「心」で4画、くさかんむり(艹)を「艸」で6画、しんにょう(辶)を「辵」で7画と数えることもあると言われています。
この数え方は「本字(ほんじ)派」「康熙字典(こうきじてん)派」などと呼ばれ、漢字が生まれたときの意味を大切にするという考え方に立っています。
理由3:ひらがな・カタカナ・数字の数え方が定まっていない
「ひまり」「さくら」のようなひらがなの名前は、近年とても人気ですよね。
ところが、ひらがなの画数は流派差が出やすい部分です。
見た目の筆画どおりに数える流派もあれば、その字のもとになった漢字(「あ」なら「安」など)の画数で数える流派もあります。
ひらがな名や外来語風の名前ほど、サイト間で数字がズレやすいと覚えておくと、結果を見比べたときに慌てずにすみます。



わが家の第二子はひらがなの候補があって、まさにここでつまずきました。あるサイトでは総格が大吉、別のサイトでは平凡運。夫に「これ、どっちを信じるの?」と聞かれて答えられず、結局この記事に書いたような「基準をひとつに決める」やり方に落ち着きました。
理由4:一文字の姓・名に「霊数」を足すかどうか
霊数(れいすう)とは、姓や名が一文字のときに、計算の都合上「1」を補って数える考え方のことです。
たとえば「林 蓮(はやし れん)」のように名前が一文字の場合、地格や外格を出すときに1を足す流派と、足さない流派があります。
たった1画の差でも、その数字が吉数か凶数かの境目にあると、評価がまるごとひっくり返ることがあるのです。
一文字名の診断結果がサイトごとにバラつく方は、この霊数の扱いを疑ってみてください。
【関連記事】赤ちゃんの一文字の名前は姓名判断で不利?画数の数え方と吉数一覧
理由5:同じ画数でも「吉」と見るか「凶」と見るかが違う
画数の数え方が同じでも、その数字をどう読むかで結果は変わります。
よく知られているのは、女性にとっての23画・33画のような扱いです。
「勢いが強すぎる」として慎重に見る流派もあれば、現代では「行動力と華のある数」と前向きに読む流派もあります。
また、9画や19画のように「波乱がある」とされる一方で「才能が突出する」と読み替える流派もあり、吉凶の線引きそのものが流派の思想によって違うのです。
さらに、五格の並びの相性を見る三才配置(さんさいはいち)——天格・人格・地格を木・火・土・金・水の5つの性質に置きかえて相性を見る考え方——を採用するかどうかでも、総合評価は変わってきます。
主な流派の考え方を比較【どれが正解ではない】
代表的な考え方を、ざっくり見比べられるように整理しました。
細かな運用は同じ流派内でも分かれるため、あくまで傾向としての目安としてご覧くださいね。
| 考え方 | 画数の数え方 | 特徴・向いている人 |
|---|---|---|
| 熊崎式(本字・康熙字典派) | 旧字体・本来の字形をもとに数える | 昭和初期に姓名判断を広めた熊崎健翁氏の流れ。日本の姓名判断の土台とされ、書籍や老舗の鑑定で採用が多い |
| 新字体派 | 今使っている字体をそのまま数える | 戸籍や日常で書く字と一致するため直感的。無料診断サイトに多い |
| 五格+三才配置重視 | 流派により新字体・旧字体どちらも | 画数の数字だけでなく、五格どうしの並びの相性まで見る。総合的に見たい人向け |
| 陰陽配置も合わせて見る | 流派により異なる | 画数の偶数・奇数の並び(陰陽)のバランスも重ねて読む考え方 |
「熊崎式が正しくて、新字体派は間違い」ということではありません。
実際に使う名前は新字体ですから、日常の字を基準にする考え方にも十分な理があります。
一方で、旧字体で数える流派は「漢字が背負ってきた意味を尊重する」という一貫した理由を持っています。
どちらも筋の通った考え方で、優劣をつける必要はないのです。
【関連記事】姓名判断の陰陽配置とは?調べ方3ステップと凶でも大丈夫な理由



当時の私は「正解の流派を探せば安心できる」と思って、5つも6つもサイトを回りました。でも回れば回るほど候補が減っていくだけで、心はまったく軽くならなかったんです。探すべきは正解ではなく、自分が納得できる基準だったんだな、と今は思います。
結果が割れたときの決め方5ステップ


ここからが実践編です。
診断結果がバラバラで動けなくなってしまったときに、私が実際にたどり着いた進め方を5つのステップにまとめました。
ステップ1:基準にする流派を「ひとつ」に決める
いちばん効くのがこれです。
最初に基準をひとつ選び、その物差しだけで全候補を並べると決めてしまいましょう。
複数の流派で全部を吉にしようとすると、条件が矛盾して候補がゼロになります。
選び方の目安は、「昔ながらの考え方を大切にしたい」なら熊崎式などの旧字体系、「今この子が書く字で見たい」なら新字体系、というくらいで十分です。
途中で基準を変えないことが、迷子にならないいちばんのコツです。
ステップ2:見るサイト・本の数を2つまでに絞る
基準を決めたら、参照先も絞ります。
おすすめは、その流派に沿った診断をひとつ、比較用にもうひとつまで。
3つ以上を見比べると、必ずどこかで「凶」が出て不安が上書きされてしまいます。
これは名前が悪いのではなく、物差しを増やしたぶん引っかかる確率が上がっているだけです。
ステップ3:五格の中で優先順位をつける
五格すべてを吉でそろえられる名前は、実はごくわずかです。
とくに天格(名字の画数)は変えられないので、最初から選べない前提だと考えてください。
赤ちゃんの名づけでは、幼少期の気質を映すとされる地格と、性格の中心とされる人格を優先し、次に総格を見る——という順で見ていく考え方が広く紹介されています。
「どこかが凶なら不合格」ではなく、大事にしたい格から順に整えていくと、候補が現実的な数に落ち着きます。
ステップ4:画数以外のものさしも一緒に並べる
流派の違いに悩んでいるときこそ、画数以外の軸を思い出してほしいのです。
- 毎日呼びかけたときの音の響き(呼びやすさ・愛称のつくりやすさ)
- 漢字が持つ意味と、そこに込めたい願い
- 読み間違い・書きにくさなど、その子が一生使う実用面
- 名字と並べたときの見た目のバランス
画数はあくまで名前を読み解く一要素です。
流派をまたいで数字を追いかけるより、この4つと画数を横に並べて総合点で選ぶほうが、後悔の少ない決め方になります。
【関連記事】赤ちゃんの名前は音と画数どっちを優先?バランスの取り方5ステップ
ステップ5:最終候補が2〜3個になったら専門家に見てもらう
それでも決めきれないときは、無料診断を回り続けるより、ひとりの専門家に一貫した基準で見てもらうほうが早く落ち着きます。
自動診断は数字を出すだけですが、人に相談すると「なぜこの画数をこう読むのか」「名字との組み合わせでどう見るか」まで説明してもらえます。
理由がわかると、たとえ完璧な画数でなくても納得して前に進めるものです。
出産前後で外出が難しい時期でも、電話やチャットなら自宅からゆっくり話を聞けますよ。



「もう自分では判断できない」と感じたら、それは頑張りすぎのサインだと思います。私は最終候補を2つに絞ったところで、姓名判断を扱う先生にお願いしました。数字の良し悪しより「この名前をどう受け取ったか」を聞けたことが、いちばんの支えになりました。
どこかの流派で「凶」と出てしまったときの受け取り方
ここまで読んでも、「でも一箇所でも凶と出たら気になる」という気持ちは残りますよね。
その感覚は、とても自然なものだと思います。
そのうえでお伝えしたいのは、流派が30以上ある以上、すべての流派で満点になる名前はほぼ存在しないということです。
つまり、世の中の名前のほとんどが、どこかの物差しでは「凶」に当たっています。
それでも多くの人が、その名前で呼ばれ、その名前を好きになって生きています。
姓名判断で言われる凶数は、「不幸になる」という予言ではなく、その人が気をつけると良いとされる傾向を示したもの、という受け取り方が健やかだと私は思っています。
たとえば「勢いが強い」と言われる数なら、その子が突き進みたくなったとき少し休ませてあげよう——そんなふうに、子育ての心構えのメモとして使えば十分です。
そして名前は、画数の数字よりも、毎日呼ばれる回数のほうがはるかに多いもの。
込めた願いと、呼びかける声のあたたかさは、どの流派の表にも載っていない大切な要素です。
よくある質問(FAQ)
Q. 無料診断サイトは、どの流派か調べたほうがいいですか?
できれば確認しておくと安心です。
多くのサイトは「監修」「鑑定方法について」といったページに、新字体か旧字体か、霊数を使うかが書かれています。
書かれていない場合は、画数が二桁ズレる字(沢・辺・斉など)を試しに入れて比べると、どちらの系統かがだいたい判別できます。
Q. 戸籍に書く字と、姓名判断で使う字が違っても大丈夫?
問題ありません。
戸籍に登録するのは、あくまで出生届に書いた字そのものです。
旧字体で画数を数える流派は「計算上のものさし」として旧字体を使っているだけで、その字で届け出る必要はまったくないとされています。
Q. 複数の流派で「良い」と出る名前を探すべきですか?
探そうとすると、ほとんどの場合で候補が尽きてしまいます。
条件が増えるほど選択肢は減り、最後は「画数は完璧だけれど呼びたい名前ではない」というところに行き着きがちです。
基準はひとつに決め、残りは音や意味で選ぶほうが、納得のいく名前にたどり着けます。
Q. もう出生届を出したあとに凶と知りました。改名すべきでしょうか?
すぐに改名を考える必要はないと私は思います。
その結果は、あくまで数ある流派のうちのひとつの見方です。
別の流派では違う読み方になることも珍しくありませんので、まずは一度、一貫した基準で丁寧に見てもらうところから始めてみてください。
気持ちの整理がついてから考えても、まったく遅くありません。
【関連記事】赤ちゃんの名前、人格が凶で改名すべき?後悔しないための判断ヒント
まとめ|流派の違いに振り回されず、あなたの基準で決めていい
最後に、この記事の要点を振り返ります。
- 姓名判断は30以上の流派があり、どれかひとつが公式の正解ではない
- 結果が割れる主な理由は、新字体か旧字体か・部首の数え方・ひらがなの扱い・霊数・吉凶の線引きの5つ
- 迷ったら基準をひとつに決め、参照先を2つまでに絞る
- 五格は優先順位をつけ、地格・人格から整えると候補が残る
- 画数は一要素。音の響き・漢字の意味・実用面と並べて総合点で選ぶ
流派が違えば結果が違うのは、あなたの選んだ名前が悪いからではありません。
物差しが複数あるだけのこと、と知っているだけで、診断結果の受け止め方はずいぶん軽くなります。
それでも最終候補で手が止まってしまったときは、ひとりで抱え込まずに、一貫した基準で見てくれる専門家に話を聞いてもらうのも、立派な選択肢です。
あなたが名前に込めたその願いが、いちばん確かなよりどころですよ。



名づけの時間は、生まれてくる子のことをいちばん考えられる、しあわせな時間でもあります。画数の数字に追いかけられる時間ではなく、「この子にどう育ってほしいかな」と話し合う時間になりますように。心から応援しています。








